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掃除するほど体に悪い?
掃除機は家庭の空気の汚染源

月刊誌記事から>長い間漂う排気のほこり(2004年4月号 No.180)


肺まで入る細かい微粒子が危ない

「クシャン」とくしゃみが出るうちは、花粉症もダニアレルギーも、人体へのリスクは比較的軽いものです。

エアコンなどでカビ臭のする空気を吸うと、「ゴホゴホ」と咳が出ます。これは、花粉やダニが鼻で捕捉されるのに対し、カビは小さいので気管まで入ったからです。

「クシャン」と「ゴホゴホ」では、体へ侵入した程度が違い、吸ったときの危なさが違うのです。

人体への影響を考えるために、ダニ、花粉、カビの大きさを比較してみます。

ダニで小さいサイズのものは100ミクロン、花粉は10ミクロン、カビは2ミクロンです。

これらをそのまま吸った場合、ダニと花粉はすべて鼻で捕捉され、くしゃみが出ます。花粉症の人が、鼻だけでなく目にも症状が出るのは、そこで花粉を捕捉しているためです。

カビは小さいので鼻毛では完全に捕捉できず、気管まで入ります。だから、くしゃみだけでなく咳まで出るのです。

3ミクロン以下の微粒子は気管まで入り、気管支炎を起こすことがあります。それでも咳で取り出せるサイズのものは、まだいいともいえます。

ダニ、花粉、カビが粉砕されて1ミクロン以下の大きさになると、肺にまで入るので、もう取り除けません。アレルギーの人は、アレルゲンが肺にまで入るので、やっかいなリスクを抱えることになります0。

免疫細胞が微粒子を吸収して処理しますが、うまくいかないと、肺炎を起こすことがあります。

残念ながら、日本の掃除機が出す微粒子は、人体に危険なサイズが多いのです。

人体にとっては100ミクロンの大きなチリより、10ミクロンから0.3ミクロンくらいの小さなチリの方がやっかいなことは、少なくとも35年以上前にわかっていました。当時できた公害防止管理者の資格試験のテキストに出ていたからです。

家電メーカーには、大気汚染の公害防止管理者がいるはずです。知識を持っている人がいるのに、排気の人体への安全性はまったく考えず、吸引力だけを競って掃除機の開発を続けたのです。

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※調査対象とした「オキシジェン」は、販売終了となっております。



※最新情報は月刊誌『食品と暮らしの安全』2012年7月号に掲載されています。

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