特集◆硝酸態窒素の水汚染(2007年4月現在)
※データは2007年のもので、現在はわかりません。妊婦と赤ちゃんを想定して書かれた記事です。
有名8ブランドが汚染
水道水には厚生労働省が「硝酸態窒素および亜硝酸態窒素」の基準を10mg/lと設定し、
環境省も水に同じ環境基準を設定しています。
この硝酸態窒素は、水中の硝酸イオンと硝酸塩に含まれている窒素のこと。硝酸態窒素の危険性は硝酸塩と同じで、
血液の酸素運搬能力を奪い、特に乳幼児を窒息死の危険にさらします。
硝酸態窒素が、体内で亜硝酸態窒素に変化すると、発ガン物質になり、毒性も強くなります。
安全でおいしい水を求めて、ペットボトルの水が大人気。
ところが、世界中で採水地の硝酸態窒素汚染が進み、有名10銘柄中8つから、硝酸態窒素が検出されました。
地域銘柄を検査
全国各地の水を集めてみると、41銘柄中33本は0.5ppm以下だったので、大手ブランド水より地域銘柄水の方が安全です。
武蔵野市の水源水は高濃度
「志布志」の水が最高値
採水地が日本で、各地の水を調べたら高濃度を示すものが4本ありました。
汚染度が最も高かったのは、アクアネットジャパンの「伝説の水・志布志」で4.6ppmでした。
次にひどかったのは、東京都の武蔵野市民が水道水として利用している水源の水をボトリングした「水・好き」で2.3ppm出ました。
ほかに汚染レベルが高かったのは、大和川酒造店の「会津・喜多方名水『空』」と、奄美大島にしかわ酒造の「長寿の島の水」で、1.2ppmから2.3ppm出ました。
硝酸態窒素がまったく検出されなかったものも、佐々長醸造製造の「早地峰霊水」など16本ありました。
関東の水はすべて汚染
地域別にみると、関東は調べた6銘柄のすべてから見つかっています。
静岡県の富士宮市、富士市の4本からは検出されませんでした。富士山ろくは汚染が進んでいないようですが、少し平地に降りると、実は水道水の汚染が進んでいます。
すべての「名水」から検出
環境省指定の「名水」をうたう水は、ペットボトル調査でも、7本すべてが汚染されていました。
環境省指定の「名水100選」をうたった水や、採水地が名水100選の採水地に近い7本を選び硝酸態窒素汚染を調べました。
その結果、まったく硝酸態窒素が検出されなかった水はありませんでした。
特に汚染がひどい銘柄もありませんでしたが、エヌアイエスフードサービスの「霧島の天然水」から1.2ppm、名水の里の「五代松ごろごろ水」、北海道ミネラルウォーターの「羊蹄のふきだし湧水」、富山ビバレッジの黒部源泉水の3本から0.5ppm〜1.2ppmの硝酸態窒素が見つかりました。
9名水を集め、8つが汚染されていたことを214号で報告しましたが、ペットボトルの検査でも名水の汚染が裏付けられました。
名水100選は、1985年に環境省が指定しました。21年間で周辺環境が変わったところが多いので、名水を過信してはいけません。
⇒大手以外の市販の水(ミネラルウォーター)検査結果【表】
月刊誌『食品と暮らしの安全』2007年4月1日発行 216号より
特集 硝酸態窒素の水汚染(214号) |
特集 硝酸態窒素の水汚染2(216号) |
・「ミネラル不足食品ばかりでは病気に罹る」
・食品が10 ベクレル/㎏ の食事で健康被害 〜ウクライナ実情報告〜
・「放射能から子孫を守りたい 」 〜小冊子完全公開〜
・出版物一覧