ウクライナから報告
【放射能汚染のない食品は子孫の健康も保証する】⑥

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ウクライナ学校地図

【2024年3月報告】
― 放射能の悪影響を簡単に減らせるとウクライナの村で証明された ―
               レシヤ・カルロワ(ジャーナリスト)

2012年から食品の放射能汚染を減らして
病気を治す調査をウクライナで始めて、すごい成果が。
「日本プロジェクト」は戦争で中断しましたが、飼料が半額になったので、
森に家畜の糞を撒いてキノコをどれだけ安全にできるか、調査を再開。
調査再開に辺り、現地から長い活動総まとめ原稿が届きました。

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食品の放射能汚染を減らす原理



ウクライナ国立科学技術大学放射線生物学・放射線生態学部のニコライ・ラーザレ教授に、日本プロジェクトの科学的検証について聞いた。

「土壌に入った放射性核種の大半は、土の上層(5〜10cm)に長年残ります。 植物の根の大部分は、この土壌層にあります。だから放射性物質は主に牛乳や肉などの家畜製品とともに村人の体に入るのです。
以前は、ほとんどの家庭で1頭から3頭の牛が飼われていました。彼らには特別な牧草地が割り当てられなかったので、自然の土地で牛を放牧していました。主な汚染物質である放射性セシウムは、土壌の上層に含まれているので、植物はそれを根から吸収します。
セシウムは、化学的性質がカリウムに非常に近いのです。 だから、土壌中に十分なカリウムがあれば、植物はカリウムを使用し、セシウムを無視します。逆に、カリウムが不足していると、植物はセシウムを多く吸収します。
ウクライナ北西部の土地にはカリウムが少ないことが判明しました。牛、羊、ヤギなどの家畜は、カリウムが少ない場所で放牧されるため、 植物がセシウムを多く吸収し、肉や牛乳に混入しているのです。なぜ人々が庭で栽培している作物は汚染が少ないのでしょうか? それは、土壌の肥沃度を高くしているからです。 人々は庭にカリウムを含む肥料や有機物を加えることが多いので、土壌から植物へのセシウムの移動が少なくなるのです」

「欧州連合や日本では、すべての農民が牛を飼うという習慣はありません。そこでは、集約的な畜産が行われており、放牧は適切な栽培が行われている牧草地で行われています。 したがって、自然の牧草畑に比べて移行係数が数十分の1から数百分の1になります。 汚染の連鎖を断ち切る方法は 2つあります。
最も効果的な方法は、既存の土地区画にミネラル肥料を入れて耕作することです。
2つ目は、動物の食事に吸着剤を入れることです。吸着剤は消化管に入ってセシウムと結合し、体外にセシウムを持ち出します。こうすれば牛乳には入りません。
小若氏はウクライナの研究をよく知っており、この実践的な調査に安全基金は資金を提供し、日本プロジェクトが実施されました」
と、ラーザレフ博士は述べた。


人体の汚染が減った



ラーザレフ博士は、日本プロジェクトの前後で、学校の児童の体のセシウム汚染レベルを測定した。
「一般的には、2分の1へ削減されました。ナロジチでもオヴルチでも、多くの親がこのプログラムを受け入れ、曝露レベルを減らすことが可能であると認識して、子どもの健康に気を配るようになりました。一部の家族は、牧草が耕作地にあればもっときれいになることに気づき、放棄された畑を牧草地として利用し始めました」
とラーザレフ博士。

しかし、人々を説得するのは依然として難しいことも認めている。 そこの住民は他に収入源がないので、汚染地域でキノコと野生のベリーを集めて販売している。
「線量計は空気中の放射線のみを測定できますが、食品汚染を測定することはできないので、特別な装置が必要です。チェルノブイリ原発事故後に、集団農場がある集落には機器があり、放射線科医がいたのですが、事故から15年後、システムは破壊され、消えてしまいました。近年は、地元の衛生施設や放射線部門も消滅しました」
とラーザレフ博士は語った。

牛乳摂取の変化


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⇒今までの ウクライナ調査報告書もご覧ください。




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