ウクライナから報告
【放射能汚染のない食品は子孫の健康も保証する】④

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ウクライナ学校地図

【2024年3月報告】
― 放射能の悪影響を簡単に減らせるとウクライナの村で証明された ―
               レシヤ・カルロワ(ジャーナリスト)

2012年から食品の放射能汚染を減らして
病気を治す調査をウクライナで始めて、すごい成果が。
「日本プロジェクト」は戦争で中断しましたが、飼料が半額になったので、
森に家畜の糞を撒いてキノコをどれだけ安全にできるか、調査を再開。
調査再開に辺り、現地から長い活動総まとめ原稿が届きました。

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サイクロン集塵機を設置



チェルノブイリ原子力発電所から約32キロ離れたラディンカ村学校では、120人の子どもが学んでいる。敷地内には幼稚園もある。 この学校に日本のプロジェクトの一環としてサイクロン集塵機が設置された。

学校は薪で暖房されるが、薪に含まれる放射線量を常に確認できるわけではない。 大気中に出る煙には、放射性の粒子が含まれている。 その空気を吸い込むと、人々は病気になりやすくなる。

ラディンカ村学校のボイラー室の煙突は高くなく、開いたアパートや窓に煙が入り込む可能性があるため、これは緊急の問題だった。
「パンデミック中、この煙を吸い込むことが分かり、敷地内の換気が頻繁に必要になりました」
と、ラディンカ村学校のナディヤ・リシレンコ校長は言う。

ナディヤ・ミハイリヴナさんは回想する。
「かつて専門家が、学校から約20メートル離れたところに生えていた枯れたクリスマスツリーを切り倒しました。そこに含まれたセシウムも基準を超えていました」。


教育は健全な未来の重要な要素


その後、オヴルチ第1学校が日本のプロジェクトに参加した。アナトリー・ネブメルジツキー校長は、 「安全な未来のための校長」の共同創設者で、ここでも、生徒の家族にカリ肥料が与えられた。

「私たちは教育活動を支援しました。汚染地域に住む人々に対して、 健康的な食事と行動の推奨事項をまとめたパンフレットが作成され、配布されました。
食品汚染と、子どもたちの健康状態などを報告します。 私たちの学校の医師は、生徒が頭痛を訴えることが少なくなった傾向に注目しています。 日本の小若先生やキーウのラーザレフ教授が訪ねてくると、子どもたちは特に興味を持ちます。そうなると情報は確実に認識されます」

とアナトリー・ネブメルジツキー校長は語った。

以前は、この地域の子どもたちは医療機関に行き、国の費用で治療されていたが、その後、資金不足により、低所得世帯のみが対象となり、現在は完全に中止となっている、と校長は述べた。


キノコを住民から買う


「私たちの地域は農業地帯で、産業はほとんどなく、人々は自家農園の食糧で暮らしています。だから、ほとんどの家族にとってベリーやキノコが主な収入になっていることが多いのです」 とアナトリー・ネブメルジツキー校長は語った。

この地域のキノコは食べるべきではないことを、国民に納得させる必要がある。
汚染地域のキノコは最も多く放射能を蓄積するので、プロジェクトの開始時にキノコが採取され、放射能検査を行うと、 76,300 Bq/kg の超高レベルだった。
しかし、キノコの採取をやめたほうがいいと説得するのは簡単ではない。
そこで、安全基金に協力している学校が、この「森の恵み」のキノコを地域住民から買い上げるキャンペーンを行った。 人々は「静かな狩猟」から喜びを得て、キノコの代金を受け取るが、これらのキノコは森の中に埋められるので、消費者に害を与えることはない。

小若氏は、汚染地域で採取されたキノコを食べた経験を語った。
「キノコを食べて3ヵ月後、足の膝上あたりに痛みを感じました。 趣味でジョギングをしているとき、100メートルくらい走ると足の筋肉が痛くなり、まったくジョギングできなくなくなりました。 5ヵ月後、腰痛で全く動けなくなりました。私の他に5人がキノコを一度だけ食べましたが、5人全員が数ヵ月後に痛みを感じるようになり、指が曲がらなくなった人もいます。それから数ヵ月すると、痛みは軽くなりました。私の不快な痛みが消えたのは、4年後です。 この現象は、高齢であればあるほど症状が現れるのが遅くなります」
と小若氏は言う。

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⇒今までの ウクライナ調査報告書もご覧ください。




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