代表小若順一が月刊誌に連載していた「安全基金の活動と考え方」です。
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「世界一危険になった「日本の米」」 安全基金の活動と考え方(71)

食品と暮らしの安全基金代表 小若順一


 福島県の米は、本検査ですべて基準を下回り、自由に流通できるようになりました。
 表示を見れば、福島県産を避けられると思っている人もいますが、すでに表示は当てにならなくなっています。
「使用済みの検査証明空袋を、検査証明の表示等を抹消しないで販売している事例が発生している状況があり、 このこと自体は農産物検査法に違反しません…」というビックリするような事務連絡を、農水省が7月4日に出しているのです。 検査証明をマジックで消して売らせればすむこと。それを付けて空袋を売っていいと、わざわざ農水省が通知を出したのです。 魚沼産コシヒカリのニセモノを100倍も流通させたことのある業界に、 検査証明の付いた空袋を買っても「違反しません」とお墨付きを与えれば、違反は北海道から沖縄まで行われることになります。
 これまで違法をしていた人は違反行為を続け、例年のようには米を売れない福島の生産者が、他県の業者や生産者に米を売れば、検査証明のついた他県産米の空袋に入れて売られるわけです。 この袋は繰り返し利用されるので、福島県産の米を、いくらでも他県産米に化けさせることができます。 福島産コシヒカリを、他県のコシヒカリの袋に入れて売られたら、もう違反流通であることは誰もがわかりません。
 昨年10月に施行された米トレーサビリティ法も、米袋に検査証明が付いているので、役に立ちません。 ニセ袋を根絶しないと、日本米の評判が落ち、稲作を衰退させることになります。 そうならないよう「日本の農業を放射能から守る会」で、この問題に取り組みます。
 ドイツ放射線防護協会は、食品基準を大人で8ベクレル/kg、子どもで4ベクレル/kgにするよう日本に提案しています。 「妊婦は1ベクレル/kg」を、それに追加すべきと私は考えます。 3.11までの米の通常値は0.0076ベクレル/kg。だから、若い女性はせめて1ベクレル/kg以下の米を食べてほしいのです。 そうしないと、生まれてくる子どもと孫に大きな被害が出ます。
 先月号(2011年10月号)付録の『放射能から子孫を守りたい』を見て、「20年以上、短大の講師をしているのですが、何年か前に、問題のある学生が多い学年がありました。 他者とうまくコミュニケーションが取れないなどの学生が数人、それ以外の学生も全体的に学力が劣っていたのですが、その学年がまさしく1987年生まれでした。 10年ほど前から少しずつ学力は低下していますが、その学年だけ右肩下がりのラインから大きく外れており、ずっと不思議に思っていたのですが、ようやく納得しました。 と同時に、恐怖を感じました」と、お便りをいただきました。
 遠く離れたチェルノブイリから飛んできた放射能でも、特別に敏感な「胎児」には悪影響を与えたと考えられます。
福島の放射能汚染米を、妊婦に食べさせると、生まれてくる子どもに取り返しのつかない大被害が出ます。

2011年11月1日発行 No.271より

安全基金の活動と考え方(72)「TPP交渉への対応方法」

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