代表小若順一が月刊誌に連載していた「安全基金の活動と考え方」です。
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「事実を見ながら、感性を優先する」 安全基金の活動と考え方(19)

食品と暮らしの安全基金代表 小若順一

 「すき焼きのたれ」「生姜焼きのたれ」「かば焼きのたれ」「焼肉のたれ」「焼き鳥のたれ」「天丼のつゆ」「牛丼のつゆ」「煮物のつゆ」が、1.8・の ペットボトルでずらりと並んでいるのを、業務スーパーで見た瞬間、ひらめくように、現代の食生活のミネラル不足の全容がわかりました。
 このようなメニューを外で食べたら、化学調味料とタンパク加水分解物がうまみのベースで、それに「ゴマ風味」「かつお風味」「ワイン入り」などと表示された原料を少し加えたものがほとんどなわけです。
 「合わせ調味料」の原料を、元の原料にまでさかのぼると、「醤油」は大豆と小麦、「ぶどう糖果糖液糖」はトウモロコシ、「タンパク加水分解物」は大豆や小麦やトウモロコシ、「化学調味料」はトウモロコシなどに行き着きます。
 加工食品も、うまみの原料は似ているので、自宅で食事をしていても、味の決め手を市販品に頼っている家庭では、ミネラル分の摂取量は、外食している人と大差ない人も多いことでしょう。
 摂取するミネラルの多くが、大豆、小麦、トウモロコシになってしまったのが、現代の日本の食生活です。
 こんなことがわかったとき、私は偶然「無添加白だし」を使っていて、ダイエットに成功し始めていたので、感性がフルに働き、突然、本質が見えたのだと思います。
 実は、ミネラルが豊富な食事は、少ない量で満足できること、ミネラルが不足すると、食べる量を増やして補おうとするため、食事を多く食べてしまうことは、弓田亨さんが『ごはんとおかずのルネサンス』に書かれていたのです。しかも、ご本人から何度もその話を伺っていたのに、私は気づくまでに5年かかりました。
 自分の内側の実感だけで、こんなことがわかる弓田さんは天才です。
 私程度の才能では、何度も聞いて情報を潜在意識にインプットしておき、それから何かを見てひらめかないと気づきません。
 課題は、どんな情報のインプットを繰り返せば、アイデアが出てくるかです。何かの拍子に、ほとんどすべてがわかってしまうことに期待して、土日には趣味のように私はスーパーめぐりをします。もちろん、買い物は好きですが、店は空気が悪くて頭が痛くなるのが難点です。
 才能には、得手不得手と優劣があります。好きなことは、得手で優秀な才能を持つと考えるのが基本とはいえ、好きな範囲のどこで才能を発揮させるのかも、重要なポイントです。自分の才能の特徴をよく考え、自分に合う情報を潜在意識にまめにインプットして感性をよくしておくことです。
 そうしておけば、いつか「ひらめき」があり、自分独自の切り口で才能を表面化させることができるわけです。
 「ダシ」「たれ」を取り上げたのには、そういう背景がありますが、それにしてもダイエットに成功できるとは……。


次回は「ライバルはいらない」の予定です。


2007年7月1日発行 No.219より

安全基金の活動と考え方(20)「ライバルはいらない」

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