月刊誌記事から>子どもの下痢のときの食事は?(2004年12月号 No.188より)
冬はノロウイルス、ロタウイルスなどによる感染性胃腸炎が多い季節です。下痢と嘔吐による脱水はしばしば入院の原因になります。しかし、嘔吐がなく十分に水分補給できるのなら、入院も点滴も不要です。ですから、食べさせられるかどうかは重要なポイントです。
全身状態の悪くない子どもの下痢の大部分は、ウイルス性と考えられます。嘔吐がない限りは通常の食生活を続け、自然に下痢が治まるのを待つのが妥当と考えられます。
ウイルス性の下痢は通常1週間で軽快します。アメリカの小児科学会は「下痢と脱水症の治療」について、次のように述べています。
◆重症な下痢でない限り、子どもは日常の食事を母乳・ミルクを摂取し続けるべき。
◆下痢が始まってから、尿が出ない、泣いても涙が出ない、唇が乾く、体重が減る、目が落ちくぼむ、元気がない、
39℃以上の高熱、血便といった症状があったら、すぐに小児科を受診して、点滴などの治療を受ける。
◆子どもが食べたがっていたら食事を与えなくてはならない。
◆小児科医から下痢止めを処方されない限り、下痢止めを服用してはいけない。
などです。
月刊誌『食品と暮らしの安全』2004年12月1日発行 188号より