特集◆アスペルガー症候群奇跡の回復Ⅱ Tweet
天然ダシの使用前後(月刊誌『食品と暮らしの安全』2009年1月237号掲載)
天然ダシ使用で、劇的な回復をみせたこうちゃん。
その後も天然ダシを使い続け、さらに回復しています。
その子の状況を知る大きな手がかりとなる自由に描いた絵。
天然ダシ使用前後の表現の変化から、最近のこうちゃんの様子をお伝えします。
●「にぼしちゃん、食べる!」
「食べられるものがない…ショック」と言って、登校を渋る原因にもなっていた給食。
それが今では、食べられなかった野菜も残さず食べ、おかわりをするメニューも出てきました。
味覚も広がり、納豆ご飯、味噌汁、マーボー豆腐、野菜スティックと家族と同じメニューの夕食も摂れるようになりました。これは、離乳食以来初めてのことです。
週に2〜3回は食べていたカップラーメンも欲しがらなくなり、小さな煮干しも気に入って、「にぼしちゃん、食べる!」と、おやつに食べるようになりました。
苦手だった体育も上手にできるようになり、風邪も引かず元気に登校しています。
●「見えねー」「グサッ」…半年前
先月号で、天然ダシ使用によって、今までとは違う何かを感じとり「生まれ変わった自分」を描いていたこうちゃん。
それまでは、どんな表現をしていたのでしょうか。
半年前(6月)には、自分で描いた顔を上から強い線で荒々しく消し「見えねー」と言葉を添えた絵。(表現@)。
この時期は顔や身体を上からかき消すような表現が目立ち、新しい環境が苦手な状況下で、新学期の自分の居場所が捉えられない。
不安や心の混乱が痛々しく伝わってきます。
そして、大きなナイフが「グサッ」と刺さる表現もみられます(表現A)。尖っている自分の気持ちを吐き出すかのように、この時期は画びょうの針や、剣の鋭さを象徴した表現が目立ちました。
●「もうげんかい…」…摂取直前
10月2週目には、尖った剣を3本描き、「もうげんかい…」と文字をつけて、目が×になっている「にせこうちゃん」(表現B)。
何に対して「げんかい」を感じていたのでしょう。
中央に描かれた3本の鋭い大きな剣。自分の心に何かが刺さってくるようにも受け止められます。こんなにつらい表現をしていたなんて…。
この頃の、心の荒れや混乱が伝わってきます。
この時期、パニックを起こすことも多かったこうちゃんの大変さを理解できていたのか、絵を通して、これまでの経過を振り返ったお母さんの目から、涙がこぼれました。
●数人の仲間を助け出す場面…使用後
ダシを摂り始めてからは、描いた作品を家族の前で自信を持って発表するようになります。
ダシ使用から43日目に、「こうちゃん隊の隊長」としてニコニコ顔の自分「ファイヤーこうちゃん」が堂々と登場(表現C)。
それぞれの仲間の役割分担もしています。
そして、翌日には、仲間が11人も描き足されました。みんな笑顔です。これだけの人数を一度に描くのは初めて。
「それではたいちょう いってまいります!」と、仲間から声をかけられる自分を描いた絵には、数人の仲間を助け出す場面も続き、自分から他者へ能動的にはたらきかけ、みんなを率いていく姿が表現されています。
自分の存在すら紙の上でかき消し、尖った鋭さが目立つ@Aと、明らかに違います。
●相手を気遣うようになった
表現Dには、たくさんの仲間の中で「ゆうすけくん、気分はどう?」「うん、とてもたのしい」と相手を気遣うやりとりも出てきます。
同じ時期、お父さんの入院で疲れていたお母さんに「ぼくが後ろに乗ると重たいでしょ」と自転車の後ろに乗らずに歩いたり、洗濯物を自分からたたむなど、相手の状況を理解して行動に移す場面が見られ始めました。
絵に登場するモチーフの数は、人間関係や、関心の広がりを表すことが多くあります。
たくさんの仲間が描かれた絵(D)は、これからの人間関係の広がりにも期待が持てる1枚です。
天然ダシの使用をはさんだ半年間の表現には、描く対象や、タッチ、表情に様々な変化が見られ、自己肯定感や自信、意欲が生まれ、人間関係の発展への様子が感じられます。
ミネラルを補強しただけで、こうちゃんは思うとおりに体に力が入るようになり、野菜をはじめさまざまな食べ物を食べられるようになりました。
自由画で、溜まっていたストレスが吐き出され、精神が健全になっています。
そして、体力が充実し、関心も広がり、回復が続いています。
国光美佳(色彩心理インストラクター)
月刊誌『食品と暮らしの安全』2009年1月号No237掲載
>>アスペルガー症候群奇跡の回復Ⅲ(2009年2月号No238)
>>ミネラル不足食品ばかりでは病気に罹る(症例別目次)
関連ページ
⇒「摂食障害は治る!」
⇒「キレなくなった子どもたち」
⇒「心身を害するミネラル不足食品−実測データ総まとめ集−」(月刊「食品と暮らしの安全」2017年2月号)
⇒「食べなきゃ、危険」