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ケーススタディ:残留性有機汚染物質 (POPs)によるアジア途上国のヒト母乳汚染と乳児のリスク評価
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残留性有機汚染物質 (POPs)によるアジア途上国の
ヒト母乳汚染と乳児のリスク評価


渡部真文、國末達也、田辺信介

愛媛大学 沿岸環境科学研究センター
Center for Marine Environmental Studies (CMES), Ehime University, Japan

紹介をありがとうございます。

ここでは、残留性有機汚染物質 (POPs)によるアジア途上国のヒト母乳汚染と乳児のリスク評価について、発表させていただきます。


背景(1)

まず、本研究の背景について、述べたいと思います。

皆さんご存知のように、ダイオキシン類やPCBs、有機塩素系農薬などのPOPsは、脂溶性で環境中で安定な汚染物質で、様々な環境試料や生物から検出され、ヒトや野生動物に対する毒性影響に大きな関心が集まっています。

このため、先進諸国では、これらPOPs汚染に関する包括的な調査が行われ、近年ではその汚染が減少傾向にあることが指摘されております。

しかしながら、発展途上国では、これら化合物とくにダイオキシン類による汚染の情報は数える程しかありません。

インドのゴミ集積場
 
昨日もお見せしましたが、多くの発展途上国の都市部では、このような大規模な都市ゴミ集積場が存在しています。
このような、集積場には、プラスチックや金属、紙類、木製品、生ゴミなど様々なゴミが投棄されています。


Dumping Site in India

ゴミの低温燃焼
 
このような集積場では、メタンガスの発生に伴うゴミの低温燃焼が大きな問題になっております

Burning of Dumps


背景(2)

imageこのようなアジア途上国のゴミ集積場には、毎日大量のゴミが投棄され、自然発火や人為的な着火により、低温でゴミが燃焼しており、ダイオキシン類の生成が懸念されております。

また、公衆衛生の目的から、これらゴミ集積場では有機塩素系農薬が使用されております。

ですから、アジア途上国の都市ゴミ集積場にはPOPsの汚染源が存在し、周辺住民はこれらの化合物を暴露している可能性が考えられます。


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