川内原発の敷地内に火砕流跡
鹿児島県にある九州電力・川内原発を優先審査すると
3月13日に原子力規制委員会が決定。
その翌日、愛媛県南予で震度5強の地震が発生。
広島県、山口県、大分県、高知県でも震度5弱。
震源地は伊予灘で、震源の深さは約80㎞。
地震の規模を示すマグニチュードは6.1。
この地域の火山活動が活発化する可能性を
地震学者の塩坂邦雄博士が心配していると、
川内原発の敷地から、火砕流の跡が発見されました。
土石流や火砕流は当然、川を流れ下ります。
1783年の浅間山大噴火では、川沿いの村が壊滅しました。
川内原発のすぐ横には、大きな川内川。
土石流が発生すれば、原発は大爆発します。
鹿児島だけでも活火山が6つ。
これらは、以前に噴火したことがあるから、 山の名前がついているだけ。
いつどこで新しく噴火が起きても、おかしくないのが、この地域です。
※右の図をクリックで地図を大きくご覧いただけます。
火山学者の6割が、被害を受けるリスクがあるとした川内原発。
近くの火山が噴火すれば、原発に近づくことすらできなくなります。
再稼働どころか、核燃料を他へ持ち出すべき地域です。
川内原発
降灰で大爆発
最も危険な川内原発
毎日新聞が全国の火山学者にアンケートを実施。
昨年12月、回答した50人のうち、
巨大噴火の被害を受けるリスクがあるとして
川内原発(鹿児島県)を挙げた人が29人と最多、
その全員が「阿蘇(熊本県)や姶良(あいら)(鹿児島県)など
多くのカルデラが周囲にある」として
川内原発のリスクを指摘しました。
降灰でライフラインは寸断
まず、大量の火山灰による被害が考えられます。
川内原発から50㎞の桜島で大噴火が起きただけでも、川内原発付近の降灰量は10〜30㎝という予測があります。
環境省の調査・研究では、「鉄道は5㎜で運行停止、電気、水道も1㎝で止まる可能性がある」。
道路は5㎝で通行不能、雨が降ると灰が粘土状に固まり、5㎜程度でも車が動かせず、
原発に近づくことさえできなくなるのです。
原発の冷却水の取水口は、海にくらげが大量発生しただけで支障をきたしたので、 粘土状の灰が詰まって、取水不能となるでしょう。
灰に阻まれ、除去作業もできない可能性が大です。
鹿児島湾は、姶良大噴火で、地下から吹き出したマグマのあとの空洞が崩落して、 海水が入ったもので、その一帯を姶良カルデラと言います。
桜島はその一部にできた、活動中の火山です。
今年3月、2万8千年前の姶良大噴火の火砕流が、川内原発敷地内に及んでいた痕跡があったと、九州電力が認めました。
火砕流が襲えば、原発は火に包まれコントロール不能に、そして大爆発します。
1707年、富士山宝永噴火の総噴出量は、17億㎥。100㎞離れた江戸でも、降灰がありました。
その270倍もの噴出量があったのが姶良大噴火です。南九州は火山灰で埋まりました。
姶良カルデラの周辺で火山が噴火し、火砕流が到達すれば、川内原発は止まっていても貯蔵している核燃料が大爆発する可能性も。
こんな原発は、すぐに撤去することが必要です。
月刊誌『食品と暮らしの安全』2014年5月号No301 掲載記事より