関連情報|放射能から子孫を守ろうTweet
≫英語訳:
Let’s protect the next generations from radioactivity
≫フランス語訳:Protegeons les futures generations des radiations
「突然変異」で少し弱くなる
福島第一原発から出た放射能の影響をたくさんの専門家が語っていますが、誰一人として「遺伝」の視点がありません。
遺伝は「生殖細胞」の遺伝子だけが関与します。放射線が生殖細胞の遺伝子を変化させる、
つまり、突然変異を起こすことが分かったのは1927年です。
「突然変異」というと、「奇形」を想像する人が多いのですが、遺伝による奇形はごくごく一部で、
奇形はたいてい遺伝ではありません。
突然変異が起きると、ほとんどは頭や体が少し弱くなったり、少し感染症にかかりやすくなったり、
少しガンにかかりやすくなる、というようになります。
そうなった本人も親もわからないほど弱くなるわけです。
寿命が短くなると動物実験でも証明されています。
どんなに少ない汚染でも子孫に障害
原発事故による遺伝の被害は、日本人という集団で考えねばなりません。
九州や四国の人は、原発事故はあまり関係ないと思っているようですが、
何世代かたつと、人が移動して、今回の事故で起こった突然変異した遺伝子が混ざって、
日本人全体に均一化されていきます。ですから、日本人という集団の遺伝子で見ると、日本の将来が大問題になるほどの突然変異が起きるかもしれないのです。
まずは内部被曝です。内部被曝が重要なのに、外部被曝だけを考えている研究者が多いのです。
それから内部被曝でも、その人が受ける影響と、子孫に伝わることは別で、子孫に被害が伝わることを心配するのが遺伝です。
「今影響が出てない」というのは、放射線の安全を言うときに使うべき言葉ではありません。被曝の悪影響は将来に出るのですから。
今は、新生児でも検査を受ければわかる遺伝病もありますが、成長してから現れる遺伝病、例えば精神薄弱のように生まれてすぐにわからないものもあります。
でも、それらはごく一部で、孫から先の世代に、遺伝による先天異常や遺伝伝病が増えたとき、影響が出てきたと初めてわかるのです。
放射線を浴びるようなところで働く人は少ないので、遺伝的な影響があって先の世代に影響が出たとしても、少数だから我慢してもらおうということだったのです。
今問題になっているのは、100万人を超える一般市民が、かなりの量の放射能を、吸ったり食べたりしていることで、労働者の規制とは全く違います。
しかも、子供や若者、妊婦も汚染地域に住んでいるのですから、無用な放射線はできるだけ浴びない、という大原則にできるだけ添うように、対応していく必要があるのです。
2015年6月8日
食品と暮らしの安全基金 代表 小若順一
⇒原発関連レポート
⇒今までの ウクライナ調査報告書