代表小若順一が月刊誌に連載していた「安全基金の活動と考え方」です。
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「寒冷化に備える気構えを」 安全基金の活動と考え方(75)

食品と暮らしの安全基金代表 小若順一


 「2005年をピークに地球の気温が下がり始めた」というイギリス気象庁の話を2009年2月2日に日本経済新聞が紹介。 「ミニ氷河期前兆?」と朝日新聞が書いたのが2009年6月1日。
同年9月に、本誌はそれらの内容を紹介し、気候は数十年と数百年単位で温暖化と寒冷化を繰り返しているので、 これまでのトレンドを延長すると、これからは寒冷化と、槌田敦先生の解説を載せました。
 今年は「前兆」が消え、「ミニ氷河期?」の論調がマスコミに出てきています。 まだ温暖化を主張する専門家は、記録的な寒さと降雪は、北極海の暖冬による気流の異変が原因と解説しています。
 でも本当に「暖冬」のせいなのでしょうか。
 私が社会に出た1970年代中ごろは、国際的には、アフリカの干ばつ、国内では西日本の暖冬、東北の大雪、冷夏が話題になっていました。
このように、暖冬、豪雪、冷夏は同時か、近い時期に現れるのが「普通」なのです。 この5年ほどを考えれば、ミニ氷河期かどうかは別として、地球温暖化でなくなっていることは明白です。
 食品と暮らしの安全基金は、当初から一貫して、地球温暖化の原因はCO2ではないし、地球の温暖化はやがて寒冷化に変わるという槌田説を支持し、掲載してきました。 こんな環境派の市民団体は世界で唯一だと思います。

 寒冷化が温暖化より怖いことは、今起きている通りです。雪国では除雪事故で亡くなった人は100人を超え、ヨーロッパでも、各地で300人を超える凍死者が出たと報道されています。 それでも豪雪はまだいい方で、夏の気温が下がると、食料生産が減り、世界中で億単位の餓死者が出ることになります。 そうなると、世界のあちこちで争乱が起こり、食料輸入が順調にできなくなる可能性が高まります。 日本は食料生産を増やさねばならない時期なのに、原発事故で、福島はもちろん宮城、岩手、関東各県の農作物には放射能の不安があります。 生産を増やしても、思いもかけなかった放射能汚染が発覚して、翻弄されることになりそうです。

 アメリカ、ヨーロッパが経済破滅の危機に瀕し、世界経済が破綻しそうな状況なのに、日本政府は1,000兆円もの借金を抱えていて、札びらを切ることができません。 これまで世界の大勢は、CO2の増加によって地球はどんどん温暖化していくというもの。それを支持する原発推進派が、莫大な研究費を出してきました。 こんなに寒い年があったことは、温暖化説が破綻したことを示しています。 地球寒冷化で、「今後は莫大な核エネルギーで寒冷化を乗り切ろう」に変わるかもしれません。 原発推進派は、国民が大きな被害を受けても、国がどうなっても、地球がどうなろうが、利権が守れればいいのですから。

 今は、さまざまな危機が、いつどんな形で現れるかわからない時代です。
状況への適応能力を磨いて、過去にとらわれない発想で、これから起きる危機を切り抜けてください。


2012年3月1日発行 No.275より

安全基金の活動と考え方(76)「原発事故に備え決死隊の創設を」

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