代表小若順一が月刊誌に連載していた「安全基金の活動と考え方」です。
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「放射能汚染地の居住に年齢制限を」 安全基金の活動と考え方(70)

食品と暮らしの安全基金代表 小若順一


 「原子力発電所のあるところだけが汚染されるのではなくて、遺伝的な汚染というのは都市にもかかってくるわけです。 ただ、今すぐかかってくるのでなくて、この次の世代、そのまた次の世代にかかってくるわけですから、そのような観点に立って安全性を考えねばならないのです」
当基金の初代代表、外村晶・東京医科歯科大学教授は、1977年にこう語っています。

 福島県民が遺伝的な危機に見舞われていることが判明しましたが、福島以外に住んでいても、人ごとではないのです。 遺伝子の傷は、世代を経ると日本全体に広がっていくので、すべての日本人の問題として対策を考える必要があります。 福島県でこれから生まれてくる赤ちゃんは、体や知能を放射能で犯されていないかどうかを心配し、 その赤ちゃんが成人して、子どもが産まれたときにも、遺伝子に傷がついているかどうかを心配しなければならない状況になっています。 今からできる放射能対策は、食品の基準を厳しくして内部被曝を減らし、これ以上、子孫に迷惑をかけないこと。 では、原発震災の被災民を、どう救えばいいのでしょうか。

 放射能は、微量でも子孫に取り返しのつかない被害を与えますが、現在の世代に関しては、線量さえ弱ければ、意外と被害を与えないのは事実です。 どうしても福島に住みたい人は、子どもができないことを基準に年齢制限を設けて、ガンにかかるリスクが高いことを承知で、故郷に住めばいいのです。 年齢制限を55歳以上にすれば、その集落で子どもは生まれません。 居住と農業生産を制限する地域は、放射能の累積データに、放射線管理区域の条件を当てはめて、現在よりも広く設定する必要があります。 そして、制限地域に住む人には、健康を損ねることへの補償と、農産物を販売できないことへの補償と、高齢者しか立ち入れないことへの慰謝料を、東電と国が出すべきです。 原発震災への補償費が2桁少ないと先月号で述べました。日本原子力産業会議が、国家予算の2.2倍の損害が出ると試算していたので、 想定どおり180兆円規模で補償すれば、かなりのことが解決します。 こんなに補償金を出すと、通常なら国が破産するので、国は被災民を殺して、国が生き残る道を選択をします。 ところが、前号で述べたように、超円高の今だけは、原発の被災民を生かして、国も栄える道があるのです。 東北独特の美意識があるのでしょうが、今のチャンスに補償金を取らねば、福島県民はそのうちに救われなくなります。 福島県民は、暴動を起こすくらいの覚悟をもって、多額の賠償金、補償金、慰謝料などを東電と国に要求し、それを獲得して、若い人を放射線管理区域の条件に当てはまらない 安全な地域に、一刻も早く逃がしてください。 私たちも応援します。

2011年10月1日発行 No.270より

安全基金の活動と考え方(71)「世界一危険になった「日本の米」」

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