代表小若順一が月刊誌に連載していた「安全基金の活動と考え方」です。
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「中国は原発を100基にする」 安全基金の活動と考え方(57)

 中国で稼働中の原発は現在11基(908万キロワット)。建設中の原発は20基。これからも増設を続けて2030年には100基にする計画です。
 しかし、中国当局は、原発の技術者が不足して、安全管理態勢が手薄になっていることを認めています。 中国政府の事故や事件への対応を見ていると、政治性が強くて、命の危険性への感度が、日本政府より鈍いことは言うまでもありません。 だから、日本より危険な原発が建設されていることは間違いないでしょう。
 中国政府は、原発事故を公表していないのですが、2008年8月に江蘇省で原発事故があり、今年5月にも広東省の原発で放射能漏れの事故が起きたことは認めています。 こんな状況では、遠くない時期に重大事故が起こるのでは、と心配です。
 ところが、中国政府は原発をパキスタンに輸出し、「原発輸出大国」を目指していると報道されています。 かつては日本に、アメリカ、カナダ、イギリス、フランスから原発の売込みがありました。
 ところが、そのアメリカの原発企業を日本企業が買収し、民主党政権になると政府が率先して、日米連合で外国への売込みを行っている有様。 それなのに昨年暮れ、中東のUAEでは、受注合戦で韓国に敗れました。日本が原発輸出で食べていく国になりそこねたことは、ちょっとした朗報です。
 それはともかく、もし香港近くの原発が爆発事故を起こすと、放射能は南シナ海、東シナ海、日本海と汚染していきます。 上海の周りにある原発事故なら、高濃度の汚染が東シナ海から北上していきます。 そうなると突然、私たちは新鮮な魚を安心して食べることができなくなるのです。こういうことはいつでも起こりえます。
 世界中に原発が広がっていくことを止める手段は、誰も思いつきません。 私たちが今できることは、いざとなったときの対策をとっておくことです。
 原発事故のとき、私たちの重要な商品である『無添加白だし』の原料を、今から確保できるようにしておくことが重要だと、私は思い始めました。 三合わせの原料で、漁獲量が少ない飛アゴ魚を、まずベトナムから買えるようにしてほしいとメーカーに依頼しました。 ベトナム産のアゴが手に入れば、業務用の『特用・無添加白だし(三合わせ)』をつくります。 ベトナムでも2020年から2022年までに4基の原発を稼働させる予定で、日本も受注合戦に参加しています。 ということは、この10年は放射能事故がないわけです。 その間に、中国・韓国・日本で原発時故が起きたら、ベトナム産にすぐシフトできるようにしておこうというわけです。
 アゴを買いながら、日本に原発反対派がいることを現地に伝え、新たなスタイルの反原発活動にしたいと考えています。


食品と暮らしの安全 代表 小若順一
2010年9月1日発行 No.257より

※通販部門は2011年2月に分社化し、「株式会社安全すたいる」となっています。

安全基金の活動と考え方(58)「ミネラル不足「1ヵ月で病気に」」


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