食品と暮らしの安全基金代表 小若順一
ミネラル不足について取り上げ始めたのは、2001年の連載「21世紀をどう生きるか」で、弓田亨氏に「力がない日本の食べもの」と指摘していただいてからです。
その後、ずっとミネラル不足について取り上げてきましたが、2008年1月に発覚した中国産毒ギョーザ事件でテレビに出演中、新事実を見つけました。
テレビ局の取材映像に、冷凍庫に置かれたプラスチック袋の中に肉や野菜が見えたのです。 どろどろして姿が見えないはずなのに、鮮明に見えたことは、加工段階でほとんどの栄養成分が溶け出て、食品から失われていることを意味しています。
ここまでを、2008年9月に『生活防衛ハンドブック』に書いて出版しました。
それから、力を入れて取り組むようになったのが、『無添加白だし』の心身への影響を明らかにすることです。
モニター調査をしているとき、私たちに衝撃を与える事態が起こりました。
発達障害のアスペルガー症候群と診断されていた小学2年生のこうちゃんが、劇的に「治った」のです。 発達障害は、治らないはずでしたから、これは大変なことです。
そのこうちゃんは、絵を描いていて、しかも、そこに「見えねえ」「もう限界」などと一言書き添えていました。 こうちゃんを知っていた国光美佳さんは、チャイルドアートカウンセラー。
それで、お母さんに絵を持ってきてもらい、こうちゃんが治るように導けたのです。 出来過ぎた話ばかりですが、すべて事実です。
「奇跡」が起こっているのに、中途半端にすることはできないので、「ミネラル不足」は最優先課題になりました。 こうちゃんに勇気づけられて、私たちも「路線」が決まりました。
この頃、新たにわかったのは、水煮食材にリン酸塩が添加されていたことです。 リン酸塩は微量ミネラルをつかんで体外に排出してしまいます。 このリン酸塩が、思いもかけない食品に広く潜んでいることを今、追及しています。
『無添加白だし』に、意外な効果が次々と出てくるのは、イワシ、トビウオ、昆布の組み合わせがいいことと、 必須微量ミネラルが水に溶けた状態で存在しているからだと考えています。
「発達障害児を救出する基金」に、皆さまから100万円を超えるカンパをいただき、感謝しております。 お陰さまで、あちこちの組織に「モニターとして使っていただければ、『無添加白だし』をまとめて差し上げます」と言うことができています。
誤算だったのは、組織の壁が厚いこと。それで本格的な調査を行えないでいます。「効果があったら、有料になるんでしょ」とも言われますが、それはそのとおり。
こういう障壁はありますが、ミネラル不足による心身の異常には、安全基金の存亡をかけて取り組んでいきます。
2009年10月1日発行 No.246より