特集◆清涼飲料水

アメリカ・オーストラリア〜甘い清涼飲料水は学校で販売禁止〜(206号掲載)




増え続ける子どもの肥満対策として、アメリカ、オーストラリアで
コカ・コーラなど甘い清涼飲料水の学校での販売が禁止されることになりました。


アメリカで、5月3日に、公立学校からダイエット、ノンカロリー以外の清涼飲料が締め出されることになりました。米飲料協会(ABA)など飲料業界との困難な交渉にあたったのは、クリントン前大統領でした。
小中学校では、コカ・コーラなど糖分の多い清涼飲料の販売は、2008年の新学期から全米の75%の学校で販売をやめ、09年の新学期から全面停止になります。販売してよいのは、水、加糖していない100%果汁、脂肪分の少ない牛乳だけになります。
高校では、ダイエットタイプのソーダ類やスポーツドリンクなど1本当たり100キロカロリーを超えないものも認められています。
安全基金とともに「食品国際消費者機構」を組織しているアメリカの市民団体CSPI(公益科学センター)は、スポーツドリンクも規制されるべきという見解を示した上で、この合意を歓迎しています。

●オーストラリアは今年中に禁止

また、オーストラリアでは、ビクトリア州政府が、公立の小学、中学、高校にある売店や自販機でのジュースの販売を今年中に禁止することにしました。
これから暑くなってくる時期です。甘い清涼飲料を飲みすぎると、肥満につながることは確実です。
のどが渇いたら、水、麦茶などで水分補給をしましょう。

●日本の子どもの肥満は?

日本では、厚生労働省が、成人の生活習慣病の予防は、子ども時代の食生活が影響していると考え、対策を始めています。
文部科学省の学校保健統計調査によると、標準体重よりも2割以上重い「肥満傾向」にある児童・生徒の割合は、増加しています。

小学校1年生 小学校6年生 中学校2年生
1982年 2.9% 7.1% 6.5%
2003年 4.6% 10.8% 9.6%
  


「肥満」とされる小中学生は、20年前と比較して約1.5倍に増加しており、厚生労働省は2010年度までに、肥満の小中学生を7%以下にしたいと考えています。
ただし、思春期の女性の「やせ症」の問題も注目されています。02年(平成14年度)に行われた全国規模の調査では、中学1年から高校3年までの思春期やせ症の発症率は2.3%、さらに、成長曲線を一定の基準以上に外れるような急激なやせ方をしている「不健康やせ」の割合が中学3年で5.5%、高校3年で13.4%みられました。
清涼飲料を飲まなければいいなどの短絡的な対策だけでなく、食生活そのものや、健康な生き方を考えた対策をしていく必要があります。

月刊誌『食品と暮らしの安全』2006年6月号No206掲載

アメリカやオーストラリアでの販売規制についての詳細はこちらをどうぞ
http://cspi.hpnew.com
    

>>安全な食べ物の選び方・おやつ「清涼飲料(炭酸飲料)」(160号)


>>たっぷり糖分と環境ホルモンで危険な清涼飲料(147号)



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