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海水をかけると、炉心を水が流れなくなる

槌田敦先生(元理化学研究所・研究員)に小若順一編集長がインタビュー


小若 今、放射能をできるだけ放出させないようにするにはどうしたらいいのですか。
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槌田  原子炉に海水を入れてはいけません。川からでもいいので、何とかして真水を確保することが重要です。 このまま海水を入れ続けていると、水が炉心で蒸発して、食塩が残り、炉心の中を水が流れなくなってしまいます。
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小若 水が蒸発して塩分濃度が高くなり、最後は原子炉で塩を造るような状態になっていくわけですね。
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槌田 そうなると、水を入れても入らなくなるわけです。
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小若 真水を確保できたら、どうすればいいのですか。
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槌田 主蒸気止弁を開閉して、蒸気を復水器に送り、原子炉を減圧して給水すればいいのです。
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小若 何のことかわかりませんが。
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槌田 原発の機能を全体として見直して、原子炉に水を入りやすくして給水するわけです。 こうすれば、放射能が環境に放出されるのを少なくできます。また、水素を集めて酸化して水にできます。
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小若 水素爆発の危険性を少なくし、水を増やせるので、一石二鳥になりますね。 放水が始まろうとしていますが、これには期待できるのですか。
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槌田 3・4号機の使用済み燃料に冷水をかけてはいけません。空焚きの使用済み燃料に水をかけると、燃料が破損し、崩れ落ちます。 プールの底には制御棒がないので、再臨界の心配がでてきます。
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小若 核燃料が過熱して溶けると、爆発するのですか。
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槌田 爆発はしません。プールの底のコンクリートや、原子炉の底の鉄を高熱で溶かして、底が抜けた状態になります。 底を溶かし続けて、水があるところまで行くと、水蒸気爆発をおこすのです。
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小若 では、使用済み燃料プールはどうすればいいのですか。
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槌田 鉛を投入することです。工夫すれば作業者の被爆をすくなくしながら鉛を持ち込めますし、鉛を投入しておけば、 鉛が溶けて使用済み核燃料と混ざって、放射線の放出を少なくすることができます。そして当面は、冷却を液体窒素で行い、冷たくしてしまえば、危険性は今より格段に少なくなります。
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小若 このような内容の申し入れ文書を、私たちが仲介して原子力安全・保安院に送り、これから、マスコミにも送るようにします。
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2011年3月17日
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