1980年代、オーストラリア市民は、工業的な成長が、汚染問題を生み出したことを理解し始めた。
炭鉱業、農業の廃棄物、化学工場、産業、家庭からの廃棄物が環境中に捨てられた。
投棄物のほとんどは埋め立てられ、いくつかの廃棄物は埋め立て地を増設するために捨てられた。
1960〜70年代にかけて、廃棄物の投棄がピークに達した。
PCBsやその他残留性有機汚染物質(POPs)を含む有害な廃棄物が、環境中に捨てられた。
オーストラリアのPOPS
商業的な使用
- PCBs:電機産業
- HCB:殺虫剤、噴霧剤、工業的な添加物、汚染物質
- アルドリン、ディルドリン、クロルダン、ヘプタクロールは、害虫駆除企業によって使用された
- マイレックス、エンドリン、DDT、ディルドリン、ヘプタクロール、HCBは、農業で使用された
小売りの使用
- HCB, DDT, ディルドリン、クロルダンは市民も使うことができた
- PCP: 殺菌剤として市民へも販売されていた (ペンタクロロフェノール)
産業廃棄物
- ダイオキシンとフランは、農薬の副生成物として生成された
- その他 POPs の廃棄物; PCBとHCBを含む
- オリカが保管している HCB (シドニー、ボタニー); 10,000 トン (ICI公式データ)
害虫駆除産業のPOPs使用 アルドリンとディルドリンが広く使用:シェル製品
クロルダンとヘプタクロールが広く使用:ベルシコール製品
多くの人々がこれら殺虫剤による害を受けている
(慢性毒性のような)ゆっくりと現れる被害が、害虫駆除処理後に起こっている。
土地と水路が汚染されている
害虫駆除会社はアルドリン、ディルドリン、クロルダン、ヘプタクロールを使用していた
クロルダンは、化学物質の混合物
140もの異なった物質が含まれている
1990年代半ばまで、オーストラリアのスーパーで購入可能であった
食品や環境中から、一定に検出される
特別廃棄のため集められた古いクロルダンのボトル
POPs汚染地(DDT と ダイオキシン) ホームブッシュ湾での釣りを禁じている
都市環境中のPOPs廃棄物
事例:シドニーオリンピック会場
この場所は、かつてホームブッシュ湾海岸の荒れ地であった。
オリンピックのための浄化(1990年代)の前にPOPsの調査が広く行われた
この場所で、多くはないもののPCBが検出された
他のPOPsも検出された
POPsの分解は、この地で行われた。
焼却ではない方法が使われた(1999〜2001)
ホームブッシュ湾、パラマッタ川、シドニーオリンピック会場:浄化前
1980年代半ば
POPs廃棄物: 主要な環境問題
高温焼却が提案される
技術的な方法を理解するための、政府への市民の信頼が欠如
リスクの情報が不足:長い公開の議論
有害廃棄物管理企業への不信感
1987年に、鍵となる教育的な報告が発表
有害廃棄物に関する保護論者の視点(Conservationist’s Perspectives on Hazardous
Waste)では、POPs分解の様々な選択に対する市民理解を助けることを定めている。
焼却技術は、反対された
他種類の廃棄物に対処するために様々な技術を採用することが推奨された。
POPs分解処理技術
1980年代後半、 困難な廃棄物“Intractable (POPs) Waste”に関する独立の委員会、が作られた
この委員会では、廃棄物の種類を同定している
最も最適な選択には、小型で可能ならば移動できる技術が挙げられると結論付けられている。
これら技術のいくつかは開発段階であった。
評価、協議、許可には多くの時間が費やされた
商業的に存立できる分解技術がなければ、PCBsを含むPOPs廃棄物は、主要な問題として残ってしまう。
オーストラリアのPCBの最近の現状
多くが分解された
- 1700トンが保管
- 埋め立てられた量は不明
- 3500〜7000トンは環境中に消失
- 5000〜9000トンは未解決
- 正確なデータがない
労働上の健康と安全
POPs輸送と保管の適切な管理は、市民と労働者の安全にとって不可欠である
これらの重要な問題は、「ダイオキシン」と「高温焼却」が集めたようなマスコミの注目は集めなかった。
そのため、政治的な圧力にならなかった。
結果として、健康と安全の問題は、優先されなかった。
労働者の労働環境と健康は、数年もの間、妥協されてきた。
1990年代
計画的廃棄物に関する顧問団“The National Advisory Body(NAB) on Scheduled
Waste”と呼ばれる別の委員会を設立した。
分解処理の選択肢を検討するために、市民との詳細な協議が行われた
技術に関する多くの文書が作製された
結局、PCBs, HCB, DDT廃棄物に関する管理計画が作られた
NAB のプロセス
NABの主な成果の一つとして、住民との協議は質の高いものでなければいけないことが分かった。
重要な点の一つは、PCBの体へのダメージを説明する必要性であった
PCBsのようなPOPsの影響を、初期段階の胎児がどのくらい受けやすいか、次に3つのイメージを示す。
”Chemical Risks and The Unborn: A Parent’s
Guide”より
NAB プロセス
POPs分解プロセス
汚染の可能性のある土壌の調査
汚染タイプの同定
管理計画の発展
管理計画に含めるもの
- 透明性のある技術プロセス/詳細と評価
- 質の高い報告基準
- 市民への情報提供の責任
- マスコミを通じた質の高いコミニュケーション
POPs 汚染改善
汚染調査は、実績があり、認可されている、環境技術を持つ企業によって行われるべきである。
これらの企業は、環境から試料を採取する
試料は分析される
試料は、環境中の様々な部分から採取される;例えば
汚染調査のためドリルで穴を開けている
調査後、場合によっては、汚染した廃棄物の採掘が、行われている。
ホームブッシュ湾(次の写真)で、POPs廃棄物が見つかった。
PCBsに関しては、有意な量は発見されていない
汚染廃棄物は、分解する前に、処理方法が決まるまで保管された
後に、廃棄物は、その場で間接的な方法(非焼却)により分解された。
地域は、協議プロセス(HBERG)を通じて、方法の全ての段階の情報を知らされた
多くの異なる汚染物質がホームブッシュ湾で発見された
汚染した廃棄物は、廃棄物処分場から取り去られる
この後、「確認」といったプロセスが行わなければならない
ホームブッシュ湾オリンピック会場(次の写真)の廃棄物最終処分場の汚染物質は掘り出され、ベッドロックに置かれた
この土地で発見された廃棄物にはPOPsもあった
この地域は、人工的な湿地であった
この湿地は、現在、シドニーオリンピック公園の水リサイクル計画の一部となっている
WWW.SYDNEYOLYMPICPARK.COM.AU
WWW.OCA.NSW.GOV.AU/ECOLOGY
これらのサイトは、シドニーオリンピック公園の環境に関する多くの情報を含んでいる。
主なトピック
汚染浄化、計画的化学廃棄物、モニタリング、報告と確認、協議プロセス、汚染浄化技術のデータベース
|