PCB廃棄物の処分は各国で問題となっています。発展途上国に輸出され、現地の環境汚染を引き起こしている例も存在します。国際的にこのような流れを止めるために1989年に成立したバーゼル条約(有害な廃棄物の国際間の移動を規制する条約)や1998年に成立したロッテルダム条約(輸出国で、使用・製造が禁止されたり、制限されている有害化学物質を輸出する際に、正確な情報を伝え、事前に輸入国の意志を確認することを定めた条約)の中で、PCBも条約の対象物質として盛り込まれています。 さらに、世界的にもPCBのようなPOPs(残留性有機汚染物質)汚染を廃絶する動きが高まり、2000年12月には、ヨハネスブルグでPOPs条約案が合意。翌年5月、ストックホルムで採択され、ストックホルム条約と呼ばれています。この条約は、締結国が50カ国を超えると発効となり、発効によって、各国のPCB処理がさらに進むことが期待されます。 PCB問題の経緯