国際会議
コーデックス・バイオテクノロジー・食品の安全性に関する国際シンポジウム
特別部会 速報-3月17日-
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今日の更新予定

14:30 23:00

昨日コーデックス事務局と議長がまとめた議事録が、9:00から配られます。参加者はその議事録に誤りがないか、重要な点が省かれていないか、などをチェックします。もし変更するべき個所があった場合には、10:00からの会議で議長に修正を求めます。

きょうのまとめは23:00ころに更新します。

 

会議の様子(10:00〜13:00)

議事録の採択が午後1時ころ行われた。事務局によって作成、配布された議事録のうち、変更された部分の重要な点は以下の通り。

実質的同等に関する記述「実質的同等は安全性評価の基本となるものであるとされている....」という部分をめぐって論争があった。ノルウェーなどの国が「実質的同等だけが安全性評価の基本ではない」と述べ、「実質的同等の概念が安全性評価に使用されているが....」という文章になった。これはすべての国、団体が実質的同等を安全性評価に使用することに必ずしも満足していなく、今後再考の必要があることを含んだ表現だったと言える。

追跡可能性に関して

追跡可能性に関しては「時間があれば」話し合うという表現になっていたので、これが修正された。7月に行われる作業部会までに、追跡可能性に関する書類が出されれば、作業部会で話し合われることがはっきりわかる記述となった。「追跡可能性」については、必ず話し合うべきことなので、この変更も重要である。

*吉倉議長が採択の後のあいさつとして、「消費者の遺伝子操作食品に対する懸念に答える必要がある」と述べたことはNGOの間で高く評価されている。バランスのとれた議事の進め方はとてもすばらしかった。

 

会議のまとめ

この特別部会で今後話し合いが行われ、文章の作成が行われる項目

・ バイオテクノロジー応用食品のリスク分析に関わる一般的原則
科学的根拠に基づいた意志決定
販売前評価
透明性
販売後モニタリング
[追跡可能性]
その他適切と思われる合法的要因
・ バイオテクノロジー応用食品のリスク評価に関わるガイダンス
食品の安全性と栄養面
実質的同等
長期的な健康影響の可能性
意図しない影響

次回の特別部会で話しあわれる議題

・ コーデックスのこのほかの部会や執行委員会から出される内容
・ コーデックス以外の国際機関・組織から提出される報告書など
・ バイオテクノロジー応用食品のリスク分析の適用に関する一般原則の草案
・ バイオテクノロジー応用食品の安全性と栄養面に関して言及したリスク評価のガイドラインの草案 (追跡可能性についてを含む)
・ 透明性および全ての利害関係者の参加
・ ファミリアリティに関する情報
・ 分析方法に関する考慮

<参考>

「ファミリアリティ」とは直訳すれば「熟知」している、すなわち、私たちが経験的に良く知っているかどうかということ。「実質的同等」の概念と同様OECDが作った概念である。OECDは「ファミリアリティ」の考え方は環境リスク評価に使える概念であると主張している。遺伝子操作食品に組み込む遺伝子が、環境中に今まで存在したことがあるかどうか、存在していれば、環境に与える影響は少ないという結論を導くために使おうとしていると思われる。

特別会議のまとめ・感想

2つの作業部会が作られ、議論の範囲もほぼ決まった。ここからが実質的なスタートといえるだろう。他のコーデックス部会の進み方と比べると、極めて順調な滑り出しだと言える。
「実質的同等」は、安全性評価に使用されているが、多くの懸念が出てきていることが、ヨーロッパ諸国の政府代表の発言で、明らかにされたことの意義は大きい。また、「追跡可能性」の概念が、フランス・イタリアなどを中心に、遺伝子操作食品の販売後モニタリングに必要な考え方であることが発表された。「追跡可能性」は、疫学的調査、包括的な表示などにもつながる考え方なので、今後の話し合いが期待される。

 

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