国際会議
コーデックス・バイオテクノロジー応用食品特別部会・第2回作業部会
(東京)速報-10月30日-
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本日のまとめ

10:00〜10:15 開会
10:15〜12:45 安全性評価のガイドライン(1)
12:45〜14:15 昼食
14:15〜15:45 安全性評価のガイドライン(2)
15:45〜16:15 休憩
16:15〜17:45 安全性評価のガイドライン(3)

■下記の3つの言葉が、大きな議論となった。

1 "modified plant"(変化を加えられた植物)
2 "conventional counterpart"(従来からある比較対象物)
3 "substantial equivalence"(実質的同等)

1"modified plant"(変化を加えられた植物)

 文書の要所要所に出てくる言葉。しかし、この言葉では、遺伝子組み換え技術によって変化を加えられた植物なのか、それとも従来の交配技術などによって作り出された植物を指すのか、はわからない。とりあえず、文書のタイトル"Proposed Draft Guideline for the Conduct of Safety Assessment of Foods Derived from Modified Plants"のModified Plantsは"Plants Obtained Through Modern Biotechnology"に置換えられることになり、組み換え体を指す表現に変えられた。しかし、他の部分については決まっていない。

2"conventional counterpart"(従来からある比較対象物)

 これも文書の要所要所に出てくる言葉。しかし"conventional"が何を指すのか、で大きな議論に。イギリス、アメリカ、業界NGO(モンサント社の人が代表として参加しているASSINSELやCOMISAなど)は、「組み換え体も含む」と主張。それに対し、スウェーデン、フランス、グリンピース、私たちIACFOなどは、「従来という言葉には、組み換え体は含まれないはずだ」と主張。結局、議論に決着が着くことはなく、文書は[ ]で囲まれ、また後で議論することになった。
 アメリカや業界NGOの主張が通り、"conventional"に、組み換え体が含まれることになったら、遺伝子組み換え食品の安全性は、それこそ危ぶまれる。というのも、現在、遺伝子組み換え植物、また、それから作られた食品の安全性は、この"conventional counterpart"と比較し、どこが同じでどこが違うのかを見極めることによって、判断するとなっているから。
 安全かどうかわからない組み換え体を、判断基準の比較対象物としてOKしていまうのは、組み換え体と組み換え体を比べるのを許してしまうこと。これでは絶対に安全性は確認できない。

3"substantial equivalence"(実質的同等)

 この概念を全面的にサポートする組み換え推進派のアメリカやカナダ、業界NGO。そして、この概念を受け入れたくない、反対派のヨーロッパ諸国(イギリス以外)、環境、消費者NGO。2つが静かに火花を散らした。
  いくつかの文書が、反対派の提案により、実質的同等という概念は完璧ではない、というニュアンスに書きかえられた。また、実質的同等の概念は、安全性を評価する上での結論(end point, conclusion)ではなく、あくまでも取っ掛かりとしてのステップである(starting point)であることが確認され、文書にもstarting pointと明記された。

 

*フランスが、追跡可能性の文書の改訂版を作成してくるはずだったが、今日はまだ提出されていない。

*明日は、安全性評価を行う際の、具体的なステップについて話し合う予定。


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