●参加者は30名。昨日(5/8)の有機食品ガイドラインの作業部会に参加した このツアーの目的は、あまり有機農業について知らないまま参加している 政府代表団に会議場の外に出て、実際の有機農場をみてもらうことで書類上だけでなく、さまざまな現状を学んでもらうことだそうです。残念ながら、日本政府からの参加はありませんでした。 ●農場その1 モーフ農場 まず始めに訪れたのは、大豆・穀物などを作っているモーフ氏の有機農場です。農薬に関する講習を受けた際に、その怖さを改めて知り、1989年に有機農場として転換をはじめ、1994年には有機認定をとりました。 かつては、肉牛も育てていましたが、「オーガニックビーフ」が全く売れず、牛は売却。現在は畑用の牛糞を確保するためと、自家用の牛乳のためだけに牛を飼っています。自家用に野菜、鶏も育てています。 近隣の農家は、すべて非有機農家で、遺伝子操作作物も育てているとのこと。とうもろこしの花粉はかなり長距離飛んでしまうので、有機農産物の基準を守って必要な措置を講じても、汚染はありえるとのこと。検査して、遺伝子操作作物の汚染があったことがわかったら、どうしたらよいかわからないのであえて、検査はしないとこのと。なんともいえない気分になりました。ここカナダをはじめ、遺伝子操作作物が広く栽培されている北米では、有機栽培はどのようにしていくべきなのか、考えさせられました。
モーフ氏の奥さんが作ってくれたオーガニック・ランチをごちそうになりました。ジャージー牛のミルクから作った自家製の発酵バターは、ヨーグルトやクリームチーズに似た風味があり、これをホームメードのオーガニック・パンにつけて食べると、本当に幸せな気分になりました。そのほか、マッシュポテト、オーガニック・ビーフとマッシュルームのシチュー、サラダ、フルーツとカスタードクリームのケーキなど、どれも優しい味わい深い料理を頂きました。
●農場2 ゴセリン農場 次に訪れたのは、ゴセリン氏の農場。ゴセリン氏は25頭の牛(ほとんどがブラウン・スイス種)を飼い、そのミルクでオーガニックチーズを作っています。19951年に有機認定を受けた17haの農場で、大豆、牧草、大麦、コーンを栽培。牛の飼料はすべて自家飼料です。作物は食用として販売もしています。
チーズの有機認定をとったのは2003年。これまでも、ずっと有機原料だけでチーズを作ってきたのですが、高品質な有機チーズを作る技術を確立するのに、時間がかかったそうです。チーズとしての通常の規格を遵守することと、有機チーズを作ること、さらに品質がよくおいしいチーズをつくること、その3つのどれがかけても、オーガニック・チーズを販売することはできませんが、時に、矛盾することもあり、苦労するそうです。 幸せな牛のミルクを使うことは重要、とのこと。牛たちはとてもひとなつこく、おだやかに干草を食べていました。また、えさにサイレージ飼料を使うと、おいしいチーズができないので、すべて自家製のドライ飼料を使うそうです。牛舎は干草のよい香りがし、牛舎独特の臭さは全く感じられませんでした。 チーズに殺菌はしません。カナダでは、殺菌をしないチーズは、60日間以上熟成させれば、販売が許可されているそうです。 現在作っているチーズは、ハードチーズ、ミディアム・ハード・チーズ、ウォッシュ・チーズの3種類。15%は、農場内にある店舗で直接販売し、残りは卸業者を通じてケベック州内を中心に販売されているそうです。味見をさせていただくと、クセはそれほどなく、ミルクの甘さが感じられるおいしいチーズでした。
●農場ツアーではここカナダ、ケベック州の有機農場を見、話が聞ける、とても貴重な体験でした。このツアーを企画してくれたIFOAMに感謝いたします。 ┏━┏━┏━┏━┏━┓---------------------------------------------┓ ●表示部会の第1日目です。 ●部会終了後、レセプション・パーティが予定されています。
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