開催日:2002年4月28日〜5月2日
(直前に、有機食品の作業部会と栄養健康強調表示の作業部会が26日に開かれた)
議長国:カナダ 議長:アン・マッケンジー博士(カナダ)
参加人数:205人
参加国:政府38ヵ国、国際組織・NGO 30
IACFO(食品国際消費者機構)の参加者は以下のとおり 日本子孫基金、チェンジ・コーデックス市民の会より熊澤夏子、遠藤諭子、CSPI(米国・公益科学センター)よりブルース・シルバーグレードIACFO会長、ビル・ジェフェリー
議題
開会
議題1 議案の承認
議題2 他のコーデックス部会、委員会からの事項
議題3 表示規定の検討
議題4 包装食品の表示に関する一般規格の修正案(分類名)Step6
議題5 栄養成分表示のガイドラインの修正案(セクション3.2 栄養成分のリスト)Step6
議題6 栄養・健康強調表示の使用に関するガイドライン案 Step 6
議題7 遺伝子組換え食品の表示
定義 Step 6
定義以外の部分(表示の対象食品、表示例など)Step 3
議題8 有機ガイドライン 第5章への修正 Step6
付属書2 有機食品の生産のための許可資材への修正 Step3
議題9 包装食品の表示に関する一般規格の修正案(原材料数量表示)Step3
議題10 原産国表示についてのディスカッションペーパー
議題11 食品表示およびトレーサビリティの検討
議題12 誤認を招く表示についてのディスカッションペーパー
議題13 その他、次回の会議
議題14 議事録の採択
決定事項
■有機ガイドライン→「第5章への修正」はステップ5からステップ8に進めることで合意した。第26回総会(2003年6月)に諮られ、採択されるとコーデックスガイドラインとなる。「付属書2
有機食品の生産のための許可資材への修正」はステップ3からステップ5に進めることで合意。
■遺伝子組み換え食品の表示に関するガイドライン
→ステップ3に据え置き(「定義」の部分:ステップ6に据え置き)
遺伝子組換え食品の表示について、表示部会では1993年の第22回から議論されているので、もうすでに10年たっている。しかし決定しているガイドラインはただ1つ、2002年7月の第24回総会で採択された、アレルギーを起こす可能性のある遺伝子組換え食品には表示義務があるということのみで、その他のガイドラインについてはまだ議論が続いている。
10年たっても合意に至ることができない事実に、議長は今回第31回表示部会が始まる前に、加盟国とオブザーバー団体に「議長の友人グループ(Friends
of the Chair)」の設置を提案する文書を送っていた。そして、今回はこのグループの設置の是非、内容に関して話し合いが行われ、結論としては議長のアドバイザリー作業部会を開くことで合意し、作業部会の役割は、今後表示部会においてどのように遺伝子操作食品の表示に関する議論を進めていくかについて話し合うこととされた。
■栄養成分表示に関するガイドライン
→ステップ5からステップ8に進めることで合意した。第26回総会(2003年6月)に諮られ、採択されるとコーデックスガイドラインとなる。
■栄養・健康強調表示の使用に関するガイドライン
→ステップ5からステップ8に進めることで合意した。第26回総会(2003年6月)に諮られ、採択されるとコーデックスガイドラインとなる。
■原材料数量(%)表示(QUIDクイッド:Quantitative Ingredient Declaration)→ステップ3に据え置き
■原産国表示→検討を打ち切る
■誤認を招く表示について→検討継続
■トレーサビリティ→検討継続
その他
◆SARSで参加者激減
4月に入って感染が世界中で激増したSARS(重症急性呼吸器症候群)のため、参加者が通常に比べ少なかった。具体的には、参加人数が前回は270人だったのが今回は205人。参加国も、前回は政府48ヵ国、国際組織・NGO
33団体だったのが、今回は政府38ヵ国、国際組織・NGO30団体だった。
◆一言一句同じだった、チェコ共和国とCIAA(EU食品飲料企業連合)のコメント QUID(原材料数量表示)に関して、いくつかの国とオブザーバーNGOがコメントペーパーを事前に提出していたが、驚くべきことにチェコ共和国と企業NGOであるCIAAのコメントペーパーが、一言一句同じだった。うりふたつではなく、およそ2ページにも渡るコメントが一言一句同じなのである。これは推測するに、おそらくCIAAがチェコに圧力をかけ、QUIDに反対するペーパーを出すよう要請し、自分たちのペーパーを参考にと渡したのだが、チェコがそれを提出しろと言われたのだと思い、そのまま手を加えることなく提出してしまったためだろう。業界団体が政府に圧力をかけることはめずらしいことではないが、もしこの推測が正しく、チェコが業界団体の手渡したペーパーをそのまま提出したとすれば、それは大問題である。国の立場や政策とは、企業の意向のみで決まるものであってはならないはずで、そのような国家があるとすれば、消費者にとって脅威である。
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