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台湾の現状 |
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台湾におけるPCBに関する報告
ロバート・リン 林 学淵
台湾環境保護連盟
台湾におけるPCBの悲劇の歴史
1978年12月から1979年9月にかけて、台湾の彰化、台中で悲劇的な事件が起きました。米糠油の製造メーカーが、壊れたパイプからPCBを含んだ熱媒体で汚染された米糠油を販売してしまったのです。2000人以上の被害者が出て、PCBの強い残留性と、ホルモン系の撹乱などのPCBの毒性により、深刻な皮膚病などに苦しみました。PCB汚染の被害をうけた母親から生まれた子供には知恵遅れや行動異常などがおきました。
台湾では、PCBは食品産業の熱媒体、トランスやコンデンサーに使用されていました。大同会社、土林電気工学会社がトランスとコンデンサーの主な2つの製造者でした。台湾電力会社が主な使用者でした。PCBトランスは他のトランスよりも高額だったため、PCBトランスの商業的な利益はありませんでした。PCBの事故が起きる以前は、台湾ではほとんどのPCBはコンデンサーに使用されていました。
PCBの量
PCBとPCB廃棄物は1982年まで購入されていました。1985年に行われた調査では、台湾のPCBの量は20トンの原油、80トンのトランスなどを、合計で1000トンです。しかし1995年には、軍事庁が、軍事の分野で512トンのトランスとコンデンサーが使用されていることを発表しました。
PCBを含むコンデンサーを保有している事業者は3047件です。PCBを含むコンデンサーの数は23147個です。61360個のコンデンサーが、PCBを含んでいるかどうかまだ調査されていません。
TEPAに1991年に行われた調査では、1980年6月以前に製造されたコンデンサーのうちの数種、1980年から1982年に製造されたコンデンサーの全ての種、1982年12月以前に製造されたトランスが、PCBを含んでいるとされています。
多くのコンデンサーはPCB液を含んでいます。サイズや使用用途に関わらず、PCBでない液体が使用されているもの以外のコンデンサーはPCBを含んでいると考えられます。
PCBの管理
米糠油のPCB汚染の事故以来、経済庁はPCBの輸入禁止をし、コンデンサーの製造者はPCBの使用を禁止し、PCBを含んだコンデンサーとPCB原液を保管するよう、命令しました。
1980年以降、台湾で製造されるトランスとコンデンサーはPCBを含んでいません。1980年から、台湾電力会社はPCBを含む機器の購入をやめ、PCB機器の取り替えを計画しました。
PCBは1988年6月22日に有害物質であることが環境保護庁により発表されました。輸入とPCBの販売、食品産業での使用が禁止されました。
1994年3月10日に発効された基準により、50ppm以上のPCBを含んだトランスとコンデンサーと油、PCB廃棄物は有毒産業廃棄物として分類されます。
有害化学物質管理法により、規制されるPCB量が決められ、製造、輸入、販売が禁止されました。この規制により、PCBを含む製品は市場から消えました。
環境保護庁が2001年1月1日に、有害化学物質禁止法を発効し、PCBの使用は禁止されました。
PCB関連法規
PCBを含むコンデンサーとトランスは使用が中止されてはじめて廃棄物として扱われます。PCB廃棄物は廃棄物処理法により有害産業廃棄物に分類されます。PCB廃棄物の処理は以下の法律により管理されています。
- 有害化学物質管理法
- 廃棄物法
- 有害産業廃棄物認定基準
- 産業廃棄物の保管・除去・処理の方法および施設に関する基準
- 有害産業廃棄物の輸出入、輸送の管理方法
参考文献
Environmental Information of Taiwan, TEPA, 1987
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